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猛禽って飼ってもいいの? |
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海外からの正規輸入個体や、それらを繁殖させた個体のみ、飼育が可能です。
日本国内に生息する野生の猛禽類全種は、捕獲し飼育することは法律で禁じられています。
たとえ傷ついた鳥などを拾った場合でも、関係省庁の保護許可を受けなければ飼うことはできません。
無許可で飼った場合は、違法行為として処罰されます。
また、大型種の飼育には自治体の許可が必要な場合がありますのでご注意ください。 |
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初心者向けの種類は? |
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フクロウ類では、「ヨーロッパコノハズク」「モリフクロウ」「ヒナフクロウ」「メンフクロウ」などがお勧めです。
タカ類では小型種の「チョウゲンボウの仲間」や、「チゴハヤブサ」が適当でしょう。
飛ばすのを楽しみたいのなら、フクロウでは中型種、特に「ワシミミズク」の仲間や「ヒナフクロウ」を雛から飼うのが
よいでしょう。
タカ類では、小型種では「チョウゲンボウの仲間(ミナミハイタカなど)」や中型種では「ラナーハヤブサ」や
「トビ、ノスリ類」が良いと思います。
ただし、ノスリ類でも「ハリスホーク」は猟欲が強いので、訓練場所に気を付けてください。
狩りをやってみたい場合、「ミナミハイタカ」でムクドリやヒヨドリをターゲットにすることができます。
本格的に取り組みたい場合は、少々ハードルは高くなりますが「オオタカ」が日本の環境には向いています。
オオタカに比べると性能は落ちますが、「ハリスホーク」も良いでしょう。
ただし、鷹匠についてきちんと訓練しなければ、飼い主も鳥も不幸になり、周囲に迷惑をかける可能性があります。
初心者に全く向いていないのは、「ハイタカ」や「大型種(ワシ類、ユーラシアワシミミズクなど)」です。 |
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鳴き声はうるさいの? |
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種類や個体にもよりますが、ヒナから飼った猛禽(巣鷹といいます。)は良く慣れますが、良く鳴きます。
巣鷹のオオタカの場合、隣近所から苦情が来るのは時間の問題です。
小型種であれば声は小さいですが、常に鳴く個体だとうるさく感じるでしょう。
その点、巣立ってから捕まった鳥(あがけといいます。)は静かですが、警戒心は強いです。 |
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餌は何をあげるの? |
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ハヤブサ・タカ類は、主に冷凍ウズラを解凍して与えます。
皮や脂肪分はできるだけ取り除くようにします。
フクロウ類は、冷凍マウスを解凍して、飲み込める大きさに切って与えます。冷凍ウズラも食べます。 |
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糞はどうしたらいいの? |
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肉食の生き物なので、匂いに敏感な方には臭く感じられることでしょう。
下に新聞紙を敷いて、毎日取り替えると良いでしょう。
鳥の種類により、後ろに飛ばしたり、真下に落としたりと違いがありますので、鳥を選ぶ時に注目してみて下さい。 |
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どんなケージに入れて飼えばいいの? |
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ハヤブサ・タカ類は、架(ほこ)、ボウパーチ、ファルコンブロックに繋ぎます。
小型種でも、鳥かごに入れると羽根が痛むので避けてください。
架(ほこ)は自作が基本です。小型種の場合には、工事用のハードルやパイプハンガーを改造して利用することが
できます。
ボウパーチやファルコンブロックは自作もできますが、輸入品など既製の物もあります。
小型フクロウは、繋がずに自作ケージの中で飼う方も多いです。
フクロウが落ち着けて、ムレない箱型が基本です。フクロウのために1部屋使えるなら、放し飼いも良いでしょう。
いずれにしても、種類により相応のスペースを必要とします。 |
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庭で飼っても大丈夫? |
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中型種以上で寒さに強ければ、外に出しっぱなしでも飼えます。
ただし、猫やカラスなどが攻撃することがあるので、小屋があると良いでしょう。
また、とや(羽根の抜け替わる時期)の時は、小屋で放し飼いにするのが一般的です。 |
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必要な用具は何? |
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まず必要なのは、手を守る「エガケ」や「グローブ」です。
猛禽類を飼育する場合は、小屋での放し飼いであっても用意しておきましょう。
繋いで飼う方は、鳥の脚に付ける「足革」が必要です
足革付けは、練習すれば一人で出来ますが、自信の無い方は最初はプロに付けてもらいましょう。
一人が保定し、もう一人が作業をすると安全で安全で早く出来ます。
いずれにしても、手際が悪く時間がかかり過ぎると、鳥はダメージを受けますので注意してください。
足革が付いたら、その先端に繋ぐ「大緒」があると便利です。
また、金物でとめると逃げられやすいので、使用する場合には形を慎重に選んでください。ナスカンは、
事故が多発しているのであまりお勧めしません。
外で飛ばす方は、回収を楽にする為に尾羽か脚に鈴を付けます。 |
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外で飛ばさないとダメ? |
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中型種は、手間はかかりますがなるべく外で飛ばすことにチャレンジしてほしいと思います。
大きい小屋を用意できるのであれば、繁殖や鑑賞飼育も良いでしょう。
小型種は、室内で訓練できます。鳥も人も楽しいのではないでしょうか。 |
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鷹狩がしたいのですが? |
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鷹狩に憧れる方は多いのですが、現実は格好の良い事ばかりではないと、まず心してください。
毎日の地道な訓練が、飼い主の都合に関わらず続きます。
狩場では、タカを据えたままイバラやツタの生い茂る藪に分け入り、何時間も歩きます。
ハヤブサと猟犬によるスマートな狩りは、現在の日本の環境ではほとんど無理です。
また、苦労の割りに獲物はなかなか出ませんし、出ても狩りの成功率はとても低いのです。
それでもやるのは「鳥の性能をどこまで引き出せて、良い飛びを見られるか」という、全体のプロセスが楽しいから
でしょう。本気でやりたい方は、まず実猟をやっている団体に見学を申し込み、勢子(せこ…狩場で鳥獣を追い出したり、他へ逃げるのを防いだりする役目の人)を実体験されてはいかがでしょうか?
獲物の種類や鷹狩の出来る期間と場所は、法令で定められています。獲ってよい鳥といけない鳥の区別が
つかないような状態で、狩場に出るようなことがあってはなりません。 |
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